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新築を検討していたとき、シーリングファンをずっと迷っていました。うちのリビングは吹き抜けではなく、ごく普通のフラットな天井です。シーリングファンといえば、天井の高い吹き抜けの開放的な空間に付いているイメージが強く、しかも普通の照明器具とは仕組みが違います。「うちみたいな天井に付けて、何かデメリットがあるんじゃないか」と、なかなか踏み切れませんでした。
先に結論を書きます。吹き抜けでなくても、「天井の高さ」「取り付けの電気工事」「掃除のしやすさ」の3つを確認すれば、普通の天井でも後悔なく使えます。デザインや風量の細かさで選ぶのは、そのあとで十分です。
私は以前、電気設備の業界にいて、第二種電気工事士の資格も持っています(施工の実務はしていないペーパー資格です)。この記事では、その知識と、我が家のフラットな天井のLDKで実際にオーデリックのDCモーターのファンを使ってみた体験の両方から、選ぶ前に見ておくべき場所を順番に説明します。
この記事でわかること
- シーリングファンを選ぶ前に確認する3つのこと
- 吹き抜けでなくても後悔しないための考え方
- DCモーターとACモーターの違いと選び方
- ファン本体と照明ユニットが別売りになっている場合があること
- 取り付けの電気工事と、施主支給できる範囲
- 我が家(オーデリックのDCファン)の使用実感
そもそも、新築でシーリングファンは必要?
「やめとけ」「いらない」という声もあります。検索するとそのままサジェストに出てきます。理由はだいたい3つで、掃除が面倒、効果が感じられない、電気代の無駄、というものです。
もう一つ、検索してもあまり出てこない不安もあります。シーリングファンは天井が高い吹き抜けやリビング階段のある家によく似合うイメージがあり、カタログや施工事例の写真もそういう空間ばかりです。だから私も、うちのようなフラットな天井の、ごく普通のLDKに付けて、浮いてしまわないか、効果が半減しないか、正直不安でした。
我が家はLDK18畳、フラットな天井(高さ2.5m)に1台付けました。住んでみて、吹き抜けでなくても特に問題はありませんでした。エアコンの効きが穏やかになり、夏も冬も体感が変わりました。掃除の手間はありますが、それを差し引いても付けてよかったと感じています。
判断の分かれ目は「風を回して得をする空間か」です。天井の高さそのものより、部屋の広さと風の抜け方の方が影響が大きいと感じています。うちはLDK18畳で、キッチン・ダイニング・リビングが一続きなので、1台のファンで空気がよく回ります。逆に、6畳ほどの個室や、部屋が細かく仕切られている場合は、扇風機やサーキュレーターで足ります。

吹き抜けじゃないけど、シーリングファンはつけられるかな…
結論:見るのは「天井高」「電気工事」「掃除」の3つ
細かいスペックの前に、モーターの種類だけ先に整理します。シーリングファンのモーターには「DC」と「AC」の2種類があり、ざっくり次のような違いがあります。
| DCモーター | ACモーター | |
|---|---|---|
| 消費電力 | 小さい | 大きめ |
| 運転音 | 静か | 機種による |
| 風量の段階 | 多い(微風〜強風まで細かい) | 少なめ |
| リモコン | 標準で付くことが多い | 別売り・引きひものものも |
| 本体価格 | 高め | 安め |
我が家はDCを選びました。決め手は静かさと、見た目です。複数のメーカーを比較して、いちばん好きなデザインがオーデリックのDCタイプ(WF247)+別売灯具(WF259PR)でした。照明まわりの選び方は、少しややこしいので後でくわしく説明します。
ここから、3つの確認を1つずつ見ていきます。
確認1:天井の高さ。羽根の下に2.1mを確保できるか
シーリングファンは羽根が回る分、天井から下に出っぱります。頭にぶつかる、圧迫感が出る、という失敗はここで起きます。
調べた範囲では、各メーカーの目安は「床から羽根の下端まで2.1m以上」「部屋全体の天井高で2.4〜2.5m以上」です。我が家は天井2.5mのフラットで、パイプ(ロッド)なしのタイプにしました。天井にできるだけ近い位置で回っています。パイプを付けて羽根の位置を下げる選択肢もありましたが、付けなくて正解でした。背の高い来客が手を伸ばしても届かないし、圧迫感もありません。
天井が2.4m前後なら、薄型(ロープロファイル)と呼ばれる、天井に張り付くように回るタイプを選びます。逆に勾配天井や吹き抜けは、傾斜に対応した金具や延長パイプが必要です。この場合はメーカーの適合表を、工務店と一緒に確認してください。
カタログで見る数字は「首下寸法」または「全高」。天井から羽根まで何cm下がるかが書いてあります。
「吹き抜けじゃないと似合わない」というイメージがありますが、実際はフラット天井の方が延長パイプが不要な分、シンプルに取り付けられます。吹き抜けか普通の天井かより、首下寸法が自分の家に合っているかどうかの方が重要です。

カタログの「首下寸法」。ここだけは最初に見ておくと安心です。
確認2:取り付けの電気工事。引っ掛けシーリングだけでは付かないことがある
照明の多くは「引っ掛けシーリング」という丸い差込口に、カチッとはめて付けます。ですがシーリングファンは重量があり、回転で振動もかかるので、機種によっては差込口だけでは付けられません。天井裏の下地補強と、電源を直接つなぐ結線工事が必要になることがあります。
だからこそ、新築で付けるなら早く決めることが大事です。我が家は「ここにファンを付けたい」と決めた時点で、すぐ工務店に伝えました。おかげで天井の補強も配線も、工事の中で一緒にやってもらえました。あとから「やっぱり付けたい」となると、天井を開ける追加工事になります。
取り付けは施主支給でも問題ありませんが、結線工事は電気工事士の資格が必要です。器具は自分で買っても、取り付けは工務店(電気屋さん)に任せる。これが基本の形です。我が家もファン本体は施主支給し、取り付けは工務店にお願いしました。工賃は他の照明とは別に、器具ごとの単価でかかります。施主支給できる範囲の線引きは施主支給どこまでやるかの記事、発注から取り付けまでの流れは照明を全て施主支給した話にまとめています。
「工事不要」をうたう後付けタイプもあります。引っ掛けシーリングに挟み込む軽量なファンで、賃貸や入居後の人向けです。ただし羽根が小さく風量も控えめなので、新築で天井から選べるなら、直付けタイプをおすすめします。
確認3:掃除。羽根の上のホコリは必ず溜まる
正直に書きます。ここが唯一、面倒なところです。
羽根の上面にはホコリが溜まります。我が家は、ホコリが目についたら椅子に乗ってフロア用ウエットシートで拭いています。伸縮モップも試しましたが、腕を伸ばした状態だと力が入らず、羽根がしなって拭きにくい。拭いたホコリが顔に落ちてくるのもストレスでした。
対策は2つです。1つは、手が届く高さに設置すること(確認1と同じ話です)。脚立や椅子で安全に届く範囲かを、設置前に考えておく。もう1つは、羽根が外せるタイプや、リモコンで昇降できるタイプを選ぶこと。高天井や吹き抜けに付けるなら、昇降式はほぼ必須です。
電動昇降装置には、たとえばこういうものがあります。(取り付け器具の重量により選定が必要です)
電球やLEDの交換方法も、カタログで見ておくと安心です。一体型の照明は、基本的にモジュールごとの交換になります。
モーターはDCを選べば、基本は困らない
DCとACの違いは「消費電力」「静かさ」「風量の細かさ」「リモコン」。調べた範囲では、DCモーターはACに比べて消費電力が小さく、回転音も静かです。風量も微風から強風まで段階が多い。
我が家のDCファンは、いちばん弱い風だと、回っているのが分からないくらい静かです。強くすると風を切る音はしますが、生活していて「うるさい」と感じたことは一度もありません。
ACモーターは本体価格が安いのが利点です。予算を抑えたい、風量は数段階あれば十分、という場合は選択肢に入ります。ただ、新築で長く使うものなので、私は迷ったらDCをおすすめします。
照明はどうする?ファン本体と、別売りの照明ユニット
シーリングファンの照明まわりには、①最初から照明が一体になっているタイプ、②照明なしのファン本体に、別売りの照明ユニットを組み合わせるタイプ、③照明を追加できないファンのみのタイプ、の3パターンがあります。
「シーリングファンを買えば、照明も一緒に付いてくる」と思っていませんか?実際はそうとは限りません。機種によっては、ファン本体と照明ユニットが別売りになっていて、両方を選んで組み合わせて初めて、部屋の照明として使える形になります。
我が家はファン本体(オーデリックWF247、照明なし)に、別売りの照明ユニット(WF259PR、6灯)を組み合わせて注文しています。これでリビングの照明として十分な明るさを確保できていて、ダウンライトと合わせても手元が暗くなることはありません。明るさを優先し、暗くしたいときはリモコンで調光する使い方にしています。明るさ優先で組んだLDK全体の構成はLDKの照明の記事、壁の調光スイッチを付けなかった理由は調光スイッチは不要と判断した記事にまとめています。
ちなみにオーデリックのカタログを見ると、遮光セードタイプ(WF289PR、6灯)もあります。私は部屋全体を明るくしたかったので乳白セードタイプのWF259PRを選びました。
遮光タイプはこちら↓
購入前に確認したいのは、①その機種に照明ユニットの設定があるか、②あるなら別売りか同梱か、③別売りなら組み合わせられる型番が決まっているか、の3点です。ここを確認しないまま注文すると、照明なしのファンだけが届いて「電気がつかない」ということになります。
1つだけ、我が家の心残りを書いておきます。調光がもう少し暗くできると、映画を見るときなどに嬉しかった。最弱にしてもほんのり明るいので、真っ暗にしたいときは消しています。照明の調光の幅は、カタログの「調光範囲」で確認できます。
スイッチの話も少し。我が家は壁に調光スイッチを付けず、ファンも照明もリモコンで操作しています。壁スイッチは「入・切」だけ。この割り切りは正解でした。ただし、壁スイッチを切るとリモコンも効かなくなるので、家族には「ファンの壁スイッチは切らない」と伝えてあります。
回す向きは夏と冬で逆。付けたあとにやること
シーリングファンは、回転の向きで風の流れが変わります。
- 夏:羽根が空気を下へ送る向き。体に風が当たって涼しく感じます。
- 冬:空気を上へ巻き上げる向き。天井にたまった暖かい空気を、壁伝いに下ろします。エアコンの暖房と一緒に使うと、足元の寒さが和らぎます。
我が家も季節で切り替えています。切り替えはリモコンでボタンを押すだけ。「シーリングファンなのに冬に寒い」という失敗は、たいてい向きが夏のままか、風が強すぎるのが原因です。
電気代について。我が家では、ファンを回すようになってエアコンの設定温度を控えめにできるようになり、電気代の節約になっていると感じています。ただ、使う前と後で光熱費をきっちり比較したわけではないので、「必ず◯円下がる」とは言えません。ファン自体の消費電力はDCなら小さいので、回し続けても負担は少ないです。

向きを夏のままにしていると、冬はむしろ寒く感じます。
よくある質問
Q. 吹き抜けじゃないと効果がない?
そんなことはありません。我が家もフラットな天井2.5mですが、効果を実感しています。吹き抜けの方が空気の対流は起きやすいですが、必須条件ではありません。
Q. 照明は最初から付いている?
機種によります。本体と照明ユニットが別売りのタイプも多いので、購入前にカタログで「照明の設定があるか」「別売りか同梱か」を確認してください。
Q. メーカーはどこがいい?
日本の住宅の天井高やリモコン事情に合っているのは、パナソニック・オーデリック・コイズミ・大光電機などの国内メーカーです。デザイン重視なら海外ブランドもありますが、天井高の適合と、故障したときの部品供給を確認してから選んでください。
Q. ACとDC、どっち?
迷ったらDC。静かで省エネ、風量を細かく調整できます。ACは本体が安いので、予算優先なら選択肢に入ります。
Q. 後付けはできる?
できます。ただし、調べた範囲では天井の下地補強と結線工事が要ることが多いです。新築なら、図面の段階で決めておくのがいちばん安上がりです。
Q. 電気代はどのくらい?
DCモーターの消費電力は小さく、つけっぱなしでも負担は大きくありません。むしろエアコンの効率が上がる分で得をするケースが多いです。
Q. 何年くらい使える?
一般的な家電と同じで、モーターや基板に寿命があります。長く使う前提で、部品供給のあるメーカーを選ぶのが安心です。
まとめ:迷ったら「首下寸法」と「照明ユニットの有無」をカタログで見る
シーリングファンは、天井の高さ・取り付けの電気工事・掃除のしやすさ。この3つを先に確認すれば、あとはデザインと風量で好きに選んで大丈夫です。吹き抜けでなくても、照明が別売りのタイプでも、順番に確認すれば失敗しません。我が家はオーデリックのDCファン(WF247)に、別売りの照明ユニット(WF259PR、6灯)を組み合わせて、天井2.5mにパイプなしで付けています。大きな不満なく使えています。
今日できる一歩は、気になっているファンのカタログ(またはメーカーサイト)を開いて、「首下寸法(全高)」と「照明ユニットの有無」の2つを見ること。首下寸法で自分の家の天井に収まるか、照明ユニットの有無で追加の買い物が必要かが分かります。ここが分かれば、打ち合わせで工務店に具体的に相談できます。
他の後悔ポイントもまとめて確認するなら新築照明の後悔あるあるの記事、図面の段階でチェックするなら電気図面チェックポイントの記事もあわせてどうぞ。

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